前回は、給水管の取出しについてお話しいたしました。
今回は宅地内の給水管ついてお話しします。
宅地内に給水管を引き込む場合、公道内の送水管から分岐して引き込むとお話ししましたが、宅地内に引き込んでからも、おかしな現象があります。
それは
「水圧」です。
私たちは税金の名のもとにインフラ整備を市区町村や県、都にしてもらっています。
マンションの場合3階、4階と階数が増えると戸数も増えるので、
各戸で適正な水道圧を確保するように義務付けられているのです。
もし水圧が足りない場合は給水増圧ポンプの設置を要望され、建物内部に設置します。
この時コストは軽く100万円を超え、戸数が多いと200万円程かかる場合もあります。
このポンプを設置する根拠として「水理計算」というものがあります。
例として、前面公道から引き込むときに気圧が0.3㎫(メガパスカル)ある場合、
どの程度の長さの水道管を引き込み、どの程度の高さの建物に
何個の蛇口を付けるといった具合に圧力損失を計算します。
そして、基準に満たない場合に限り給水増圧ポンプを設置しなさい、となるわけです。
水道設備業者ではこの水理計算をほとんどやりません。
大抵は大手ポンプメーカーが計算を行い設備屋さんが水道局に提出します。
そうです、ポンプメーカーはポンプが多く売れることで潤います。
その計算式を確認すると損失係数が多くされていたり、
本来建物の入口で標高の計算をするものを建物の最上階の蛇口の高さでしていたりと
まちまちで、結局ポンプが付くように計算されています。
前回もお話ししましたが、建築屋は水道設備や申請についてうといので、
水道設備業者から「この現場はポンプが必要です。」と言われると
「あーそうなの仕方がないネ」となってしまうのです。
「新築大家さん」は自社で水理計算を厳密に行い提出していますが、
水道局によっては水理計算書を提出すると「ポンプメーカーの水理計算書でないと
受け付けない」と言われ、ポンプメーカーの水理計算書は素通りです。
これも水道局の都合です。公道にある送水管の水圧が足りなくなることがあり、
水道局に近隣の方や飲食店から「水道の出が悪い」「営業補償してほしい」などと
陳情やクレームが入ることを嫌がるからです。
従ってポンプメーカーの提出する水理計算は
過剰設計していることがあるのを知っているのです。
ここで利害が一致します。
しかし、前回と同じくこれにもきちんと法律があります。
その法律にしたがって「新築大家さん」は厳密に計算し申請しています。
「新築大家さん」の投資家様の為、オーナー様の為、
時には水道局とぶつかることもあります。
ですが、かける必要のないコストをきちんと精査し適正なコストをご負担いただき、
実り多い投資物件の実現に今後も寄与していきたいと考えています。
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