新築大家さん 社長ブログ

中古の投資をされている方にはあまり関係がありませんが、
新築アパマンの場合世帯数が多いため、
一般の住宅(18ミリ～25ミリ)よりも太い口径(40ミリ以上)の水道管を
宅内に引き込み、それを分岐して各戸に分配供給します。

土地を購入すると、以前は住宅だった場合が大半ですので、
新規に太い口径の水道管を引き込むコストを建築費の中に見込まなくてはなりません。

その場合、新規水道管の引き込みをする申請を
最寄りの都や県の出先営業所の水道局にしますが、ここで問題が生じます。

宅内に引き込む水道管のもとは前面公道にある大口径の送水管から分岐します。

このとき全面公道を掘って送水管を露出させた後、引き込み管を接続させ、
土地を戻し道路のアスファルトを元通りにする本復旧工事が発生しますが、
条例では120cm程度の道路の本復旧工事が必要になります。

その幅を10メートルやひどいときは20メートルも負担させようとするのです。
通常は免許を持った設備業者が代理で申請をしますが、
この時に水道局が暗黙で本復旧の範囲を勝手に決めます。

口には出しませんが「道路が凸凹なのでついでに広範囲の道路を直してほしい」と
持ちかけられるのです。役所は道路の通行者や近隣から陳情やクレームがくるのを、
なぜか嫌がるため、申請をしてきた設備業者にそれを負わせようと考えるのです。

本来ルールにはなく負担するいわれもないのですが、
結果、ツケが建築主であるオーナーに回るという仕組みです。

設備業者はその地域の公共工事や申請を頻繁に行い生計を立てていますので、
水道局から無理な要望をされても、申請で意地悪をされたり
入札工事に影響することを恐れます。そのため、利害が一致してしまうのです。

非常に悪しき慣習ですし、損するのはオーナーだけです。

また悪いことに建築屋と言うのは水道設備にうとく、
知識を有していませんので上記のようなことが行われていてもわからないし、
調べようともしないのです。

設備屋さんから「役所がうるさくて、これだけ費用がかかってしまいます。」と
言われると「そーなの結構するネ！でもしょうがないよネ」というような風に
見積もりに転嫁されていきます。

建築屋が水道設備や電気設備にうといのは元々建築工事と水道設備、
電気設備は分離されて発注されることが多いので、総合建設(ゼネコン)でさえも
建築の担当者はわからないものなのです。

弊社は設備業者を通さず直接申請をしています。
当然、設備業者と同じように無益な協力を求められます。

指導要綱や運用規定、施工基準なるなんら法律でもない内部規定書類を提示し、
あたかもしなくてはならないと思い込ませる手口です。
しかしながら法律に基づいておかしいと主張すると
「では今回だけは結構です。」と言うような具合です。

私はみなが守るルールならば従うべきで協力すべきだと考えています。
ですが、一部のオーナーが知らずに損をさせられていることには、
我慢が出来ませんし公平ではありません。
このことにより数百万の工事費が変わってくるからです。

私たちはオーナーに信頼されて建築全体を任せて頂いているのですから、
オーナーに不利益な事は、法律や条例を勉強し時には
弁護士の意見も聞きながら必要最低限の事をきちんと進めるべきだと思います。

知らないから騙すことは簡単ですが、そんな会社は長く存続できません。
信頼を頂いているお客様やオーナー様のために出来ることをすることが、
大切だと考えています。

次回は、同じく給水圧の伏魔殿をお話ししたいと思います。
今後の「新築大家さん」の活動にご期待ください。